最近お子様の中学受験を考える方、増えてきていますよね。中学受験に向けて塾に通わせることを検討する方も多いと思います。特に東京は中学受験するお子さんが多く、塾もたくさんあって塾選びに頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?
今回は、中学受験の塾選び(東京)のポイントを徹底的に解説します。正しい塾の選び方を頭に入れて、大切なお子さまの中学受験を悔いのないものにしましょう!
中学受験の塾選び(東京)のポイント
中学受験の塾選び(東京)のポイントをご紹介します。
塾のタイプが我が子にあっているか
学習塾には、講義形式で授業を受ける「集団塾」と、マンツーマンや1対2など少人数で学習する「個別指導塾」の2タイプがあります。
『塾のタイプ』や、『塾自体の雰囲気』、『授業の進め方のペース』など、その塾がお子さまに適しているかが塾選びの最重要ポイントです。
塾を選ぶ時にぜひやってほしいのが『塾の体験学習』です。
実際に体験することで、塾についてよく知り、体感することができます。体験学習ができるかどうかは塾によって異なりますが、可能であればお子さまのためにも必ずやっておきましょう。
合格実績
お子さまが入学を希望する中学への合格実績があるかどうかも、大切なポイントです。合格実績があるということは直接的な信頼感にもなりますし、志望校を受験するにあたっての独自の対策を行ってくれるからです。
ただ、気を付けてほしいのは、単純に合格実績があるからといってそればかりを信用しすぎないこと。大切なのはお子さま自身が努力できるかどうかです。
家からの距離、通いやすさ
通塾にあたって、距離や交通手段なども見ておきましょう。どんなに良い塾だったとしても塾までの道のりが長く、面倒になってしまっては長く続きません。
アルバイトや仕事の経験がある人はわかるかもしれませんが、どんなに良い職場でも、職場に行くまでが面倒だとなかなか続かないという経験はありませんか?通いにくいとどうしても億劫になってしまうんですよね。
また、送迎ではなくお子さまが1人で塾に通うのであれば、親としても心配になってしまいますよね。安全に、長く通うことができるかどうかも大切な判断基準です。
月謝などの費用
費用は目を向けなければならない現実的な問題です。費用は塾によって大きく異なります。月謝はもちろんですが、それ以外にも夏期講習や年末年始の講習、テキスト代など、別途費用がかかります。
体験学習や事前の面談で訪問した際に、資料をもらい、よく説明を受けておきましょう。
サポート力、コミュニケーション
サポート力とコミュニケーションも大事なポイントです。塾の講師がお子さまとちゃんとコミュニケーションを取ってくれるか、お子さまのことについて保護者とコミュニケーションを取ってくれるか、大切なポイントです。
学校の先生と同じように考えればわかるはずです。生徒が困ったときにコミュニケーションをとり、サポートできるのとできないとでは子どものやる気も違ってきます。
せっかくなら、困ったときに何でも相談できる人がいると心強いですよね。
大手塾のメリットデメリット
大手塾のメリットデメリットをご紹介します。
では、代表的な大手塾をいくつかご紹介します。
SAPIX
「いっぱい考え、う〜んと感じて、たくさん表現する。サピックスでの経験が、将来の皆さんの財産となることを願っています。」を教育理念としているSAPIX。
タイプ :集団塾
開校数 :48校
参考月謝:6年生◇59,950円(税込)その他特別講習費等要
展開地域:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県
合格実績(2020年度)
筑波大附属駒場(86名)/開成(269名)/麻布(207名)/桜蔭(160名)/女子学院(145名) 他
SAPIX向いているタイプ
〇学校での成績が比較的トップで上位クラスの中学を目指している
〇競争する環境でモチベーションが上がる
SAPIXの特徴
〇首都圏と関西に展開する中学受験の大手塾
〇「御三家」を始めとする難関校への高い合格実績
〇講師の質に定評がある
〇「繰り返し学習」が少なく、無駄を省いたカリキュラム。
〇学習量が多い。
〇1回1回の授業を完全に理解して、自主学習で復習する癖をつける必要がある。
公式サイト:https://www.sapientica.com
日能研
「未来への学び」がコンセプトの日能研。
タイプ :集団塾
開校数 :153校
参考月謝:6年生4科(12コマ/週)42,000〜44,000円(税込)その他入会金、教材費等要
開校地域:北海道、首都圏、東海、関西、中国、四国、九州、沖縄
合格実績(2020年度)
開成(30名)/麻布(53名)/桜蔭(24名)/女子学院(40名)/豊島岡女子学園(75名) 他
日能研向いているタイプ
〇中堅中堅~上位中学を目指している
〇真面目にコツコツやる
〇復習癖がある
日能研の特徴
〇首都圏を中心に全国規模で展開する中学受験の大手塾
〇成績上位の子に限らず、どんな学力の子でも入塾できる間口の広さが特徴。
〇特に中堅校に強い。
〇中学受験に必要な知識を一通り、一定のペースで進めていきます。
〇宿題は比較的少ない。
〇繰り返し学習でじっくり解かせるので、落ちこぼれる子が少ない
〇一方で面白みが少なくモチベーションが出にくい子もいる。
公式サイト:http://www.nichinoken.co.jp
四谷大塚
「独立自尊の社会・世界に貢献する人財を育成する」がコンセプトの四谷大塚。
タイプ :集団塾
開校数 :32校(準拠塾含む)
参考月謝:6年生4教科コース(~8月)◇57,750円(税込)その他入会金、教材費等要
開校地域:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
合格実績(2020年度)
開成(106名)/麻布(54名)/桜蔭(61名)/早稲田(171名)他
四谷大塚向いているタイプ
〇一人で勉強ができる
〇毎日コツコツやる
〇中堅中学校を目指している
四谷大塚の特徴
〇関東を中心に展開する大手塾
〇小規模の準拠塾が多数あるので、
〇トップレベルの学力の上位層から中堅・下位層まで幅広く在籍しています。
〇自社ブランドテキスト「予習シリーズ」の完成度が高い
〇近年のカリキュラムの改訂で難易度と進行スピードが大幅にアップし、上位層でなければ、学習の質の高さが維持できなくなっています。
〇大人が管理しないと勉強をさぼるタイプの子には不向き。

早稲田アカデミー
「本気でやる子を育てる」がコンセプトの早稲田アカデミー。
タイプ :集団塾
開校数 :240校
参考月謝:6年生私国立受験コース・4科◇45,210円(税込)その他年会費2,900円/月・教材費・必修テスト代特別講習費等要
開校地域:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県
合格実績(2020年度)
開成(127名)/麻布(73名)/女子学院(70名)/早稲田(195名)/慶應中等部(62名)他
早稲田アカデミー向いているタイプ
〇勉強が好き
〇中堅中学~上位中学校を目指している
〇繰り返しの学習が苦にならない
早稲田アカデミー特徴
〇首都圏を中心に展開する大手進学塾
〇志望校別のカリキュラムが豊富に用意されている
〇「体育会系」というイメージが強い塾でもあります。
〇解いて覚えるシンプルな学習方針
〇大人の目が無いとさぼるタイプの子には不向き。
〇他塾より宿題の量がとにかく多く、実施状況の確認もシビア。

栄光ゼミナール
「受験は戦略だ」がコンセプトの栄光ゼミナール。
タイプ :少人数制(1クラス12名を目安)
開校数 :232校
参考月謝:6年生私国立中対策4科◇54,000円(税込)その他特別講習費等要
開校地域:東京 神奈川 千葉 埼玉 群馬 茨城 栃木 宮城 京都 滋賀 北海道
合格実績(202年度0)
筑波大附属駒場(11名)/開成(14名)/麻布(10名)/桜蔭(4名)/女子学院(5名)他
栄光ゼミナール向いているタイプ
〇少人数指導を希望している
〇個性や理解度に合わせて授業を進めてほしい
栄光ゼミナールの特徴
〇中学受験において、人気が高い大手学習塾。
〇子供ひとりひとりの「学ぶ力」を伸ばすための「少人数グループ指導(定員12名)」
〇同じ分野を複数回学びながら少しずつレベルアップしていく「スパイラル方式」
〇首都圏を中心に広く教室を展開。駅近で通塾のストレスが少ない

中小(地域)塾のメリットデメリット
大手ではなく、中小(地域)塾を検討している人もいるはず。
実際に選ぶ際はやはり自分の目で見るのが一番ですが、大まかに大手塾と中小塾とのちがいをあげてみましょう。
メリット
①少人数の傾向があり、1人ひとりに目が行き届く
②アットホームで生徒と講師の信頼関係が強く築ける
デメリット
①有名校の合格実績が少ないことがある
②情報や口コミが少ない
個別指導塾に向いているお子様
元々勉強の進度が遅れていたり、勉強に意欲がない
自分の勉強スタイルがいまいち掴み切れていない
習い事に集中したい(習い事の方が比重が大きい)
集団行動が苦手
競争が嫌い
絶対にやってはいけない塾の選び方
塾の規模にかかわらず、塾を選ぶときに気をつけてほしいことがあります。ぜひ塾を選ぶときに参考にしてみてください。
合格実績が多いから
「あれ、塾選びのポイントだったはず?」と思う人もいるかもしれません。合格実績は塾を選ぶ中で大事なポイントですが、合格実績だけで選んではいけません。
どんなに実績があっても、お子さまに合っていなければ意味がありません。他の観点でもしっかりと見極めましょう。
新しいから、昔からあるから
新しくて設備や資料がきれいだから、という理由で選ぶのもいけません。
きれいでおしゃれなオフィスを選んで入社したけどブラック企業でした、というのと同じです。授業や講師の質を見ることの方が重要です。
反対に、昔からあって地元での信頼が厚いから、という理由も一緒。志望校についての情報をちゃんと収集できて、その対策を柔軟に行える塾でないと意味がないのです。
ママ友に誘われたから
よくあるNGパターンです。一概にダメとは言いません。保護者同士でコミュニケーションを取ることで、最新の情報を共有することもできます。
しかし、トラブルの原因でもあります。子ども同士が馴れ合いになってしまったり、万が一合わなくて辞めたいときに紹介で入塾したのに辞めづらいなんてこともあります。
他の子や親にとって良い塾でも、あなたのお子さまとあなたにとってはそうではないかもしれません。よく考えて塾を選びましょう。
友達がいるから
これもママ友に誘われて入塾するのと近い理由です。
大切なのは自分で塾を見て知ってから、自分で良いと思って選ぶこと。
自宅から近いから
自宅からの通いやすさは塾選びのポイントであるとお話ししましたが、それだけで塾を選んではいけません。距離が近い塾を選んだことで、同じ小学校の友達ばかりが集まり、学校と変わりない環境になってしまうかもしれません。
もしそうだとしても、中学受験のため、お子さま自身の学力向上のためであることをしっかりと親子で話し合い、意識づけしてから入塾することをおすすめします。
費用が安いから、高いから
保護者の方にとっては考えなくてはならない問題であるお金の問題。無理な出費はもちろんする必要はありませんし、してほしくありません。
念頭に置いてほしいのは、費用が安いからだめな塾ではないし、費用が高いから良い塾ではないということです。
お子さまに合うか合わないかが最も大切な判断基準であるということをお忘れなく。
塾名(ブランド)で選ぶ
特に大手塾を検討している方にありがち。塾名を聞くだけでなんとなくのイメージを持つ方もいるでしょう。ですが、どの塾も近年の学校事情、教育現場の様式に合わせて変容しています。
保護者の皆さんが学生だったときと今とでは、授業の方針、ペース、テキストなど、さまざまな部分が変わっているということです。
資料やHPの情報だけで選ぶ
最近はパンフレットだけでなく、ネット上で多くの情報を集めることができます。
公式HP以外にも、口コミを集めたサイトもあります。正しい情報もあれば、偏った情報もあるかもしれません。
情報は自分で精査しなければいけない時代です。塾を選ぶときも決して忘れてはいけません。 自分の目で見て体験して、自分がここなら頑張れると思う場所を探すのが重要です。
まとめ
今回は、中学受験を検討しているお子さまの保護者の方向けに、塾の選び方のポイントをメインにお話ししました。簡単にまとめるとこうです!
①塾を選ぶときはさまざまな観点からよく考えて選ぶこと。
②選びのポイントは、「子どもにあっているか」「合格実績」「通いやすさ」「費用」「コミュニケーションが充実しているか」など。
③大手塾や中小(地域)塾など、メジャーなものからマイナーなものまであるが、お子さまに合った塾を選んでほしい。
④塾選びにあたっては周りの情報に流されず、「お子さまに合っているか」の観点を大切にしてほしい。
⑤可能であれば入塾を決める前に体験学習を行い、「塾の雰囲気」や「授業のペース」「カリキュラム」などが合っているかを肌で感じることが大切。
⑥最後はお子さま自身が「ここなら頑張れる」と思える場所を選ぶ。
中学受験は、志望校に合格するという良い「結果」ももちろん大切ですが、受験勉強を頑張りぬく「過程」も非常に大切で、必ずお子さまの人生の糧になるはずです。
お子さまが頑張れる場所と巡り合えること、そして志望校合格という願いが叶うことをお祈りしています。
ぜひ塾選びの参考にしていただければ幸いです。
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